TENBOKANATE

ニュース・メディア

2023.01.03

10年

書くことを日々のルーティンに、なんて意気込んだものの、結局一年ぶりの投稿となってしまった。

再びこのタイミングなので、振り返りをすると、一年前に立てた目標「改革の種を見つけ、育てること」と「それを実現するための仲間を集めること」は、概ね達成したと思っている。抽象的な表現ではあったが、確実に前には進んだ。

2023年は、この2つの目標に対して「数値化できるレベルで成果を残すこと」と、今の事業とは別軸として、「製造業から製造小売業への進化元年にすること」とする。

別軸と書いたのは、今主として行っているOEMの事業を疎かにすることなく、新たな部門として動かすことが前提だからだ。

私達の価値観のひとつとして“黒子“がある。ブランドやメーカーを陰で支える黒子と言う意味で、テンボカネートの原点であり、非常に大切な価値観である。この先OEMをやめることはないし、時代に合わせて、より進化させていくつもりである。

それを踏まえて製造小売にも挑戦していく。こちらでは、商品を通じて、日常生活を支えるという意味での黒子になれればと思っている。

話は変わるが、この前のワールドカップでの、日本の躍進には感動した。

かつてサッカー部員として、その舞台を夢見ていた身としては、日本代表は目指していた場所へ行った、多くの日本のフットボールプレイヤーの頂点で、その日本代表が、強国相手に勝利した興奮と、それでもまだ、ベスト8の壁を越えられないという悔しさと、仕事一辺倒だった年末に、色々な感情を与えてくれた。そして少し、昔を思い出した。

2023年は、私が鞄を作り始めて11年目になるのだが、これまでの人生で10年続けたものと言えば、サッカーと鞄づくりだけだ。

鞄作りを始めてから、自分がサッカーをして過ごした期間と同じだけの時が経ったと思うと、感慨深い。

学生から社会人になったのだから当たり前と言われるかもしれないが、この業界に来てからは、全く違うコミュニティの中で、全く違う日常を過ごして、味わう感情も全く違うもので、振り返ってみると、まるで2つの別の人生を生きていた様にも思える。

そして、10年という期間の節目で、サッカーは辞めた。今あの時と同じ10年という節目にいると思うと、少し不思議な感じがしている。サッカーを辞めると決めた当時の自分に、今の自分を重ねる。

当然、鞄作りは辞めない。しかし、10年という区切りで見たときの、新しい気持ちで、新しいことに挑戦したいという気持ちがある。

始めの10年はものづくりの土台作りだった。次の10年は、それを更に強固にして、今までやっていなかったことを実践する。好奇心と挑戦する喜びを忘れずに。

retop